いっし~、鐘下辰男演出作品を観に行く!
いっし~はそれほど演劇マニアと言うわけではありません。ただ自らも芝居の舞台に立った事もあるし、現在は劇団夜想会の制作もしておりますので、「この作品は是非観た方が良いよ!」と言われれば観るようにしています。
さて、先日鐘下辰男さんという演出家率いる演劇団体「THE・ガジラ」の「セルロイド」と言う作品を観に行って来ました。場所は下北沢の「ザ・スズナリ」。このシアターには昨年、「燐光群」という演劇団体の芝居を観に行きました。鐘下さんの名前も「スズナリ」と言う場所も演劇に興味がある方なら多分御存知だと思います。恥ずかしながらISHIは鐘下辰男さんと言う名前すら知りませんでした。夜想会の役者さんから「この団体の芝居はスゴイですよぉ!」と言われ観に行ったのです。
開演前の舞台には白いゴミ袋が山のように積まれていました。センターに冷蔵庫。これから一体何が始まるんだろうとドキドキしながら開演まで固唾を呑みました。
2時間の上演はあっという間に終わりました。感想はとても一言では述べられませんがまるで鋭利な刃物で日常のペルソナを引き裂かれたような感覚でした。出演者は岡まゆみ、真那胡敬二、伊達暁、大久保鷹のたったの4人。しかも最初から最後まで出ずっぱりでした。テーマは「性的虐待」と「近親相姦」…かなり暗く陰鬱な内容です。好きか嫌いかと聞かれれば、正直あまり好みではない作品です。しかし終演後しばらく一緒に観に行った友と言葉を交わせぬほどのクォリティーでした。以前むさぼり読んだユング心理学を彷彿させる内容に、演劇の楽しさと言うよりは恐ろしさを感じさせられた一時でした。
瞑想では「魔境」と言う世界があり、「ここに入り込むと抜け出せなくなるので決して入り込まぬように…」と言われますが、この作品はまさに観客たちを「魔境」に誘う作品だと言っても良いかも知れません。私はこの作品を観て、感想がどうこうと述べるより、出演している役者さんたちの精神状態を心配してしまいました。
終演後、会場を出ると目の前に見える全てのものが「ウソ」「インチキ」と書かれているような気がしてなりませんでした。しかし、僕らが生きている世界はまさにそういう世界です。僕らは時にそういう世界に時に迎合し、時にバランスを取りながらなんとか生きていかねばならないのかもしれません。
しかしどんなにこの世で生きる為に、まとわりつけてしまった汚れた波動に覆われてしまおうとも、本物を見極め直視する勇気だけは失いたくないものです。鐘下作品はISHIにとってかなりヘヴィーでしたがネガティブな内容とはうらはら、ISHIの心にはなぜか不思議な生命力のようなもので満たされておりました。「THE・ガジラ」まさに恐るべし!機会があればまた観たいと思っています。






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